長野・特別養護老人ホームあずみの里 逆転無罪判決

〔 服部有弁護士の活動 〕

長野・特別養護老人ホームあずみの里 逆転無罪判決

 

あずみの里・業務上過失致死事件の弁護人ではありませんが、長野地裁松本支部(第1審)の有罪判決の前から支援をしていました。

 第1審で有罪とされた後は、無罪の訴えを強化し、2019年10月9日、医療生協で学習会の講師を務めたり、10月26日のとちぎ福祉プラザで上映された「ぼけますから、よろしくお願いします」に先立ち、控訴審で無罪を求める要請署名の訴えをさせていただいたりしました。

 すでに、報道されているとおり、2020年7月28日、東京高裁では、「窒息の危険と死亡の予見可能性は相当に低かった」と指摘し、罰金20万円とした第1審の有罪判決を破棄して無罪を言い渡しました。

 東京高裁は、亡くなられた女性が「入所後からドーナツのほかまんじゅうやどら焼きなどを食べていたが窒息を招くような事態はなかった」などと指摘しつつ、ドーナツを提供したことが「刑法上の注意義務に反するとはいえない」と結論付けました。

 一緒に署名運動に取り組んだ医療生協からは、「やりました!!️ありがとうございました。先生のおかげで、私たちも微力ですが、署名の訴えができてよかったです。」とのお礼をいただきました。/

【長野・特別養護老人ホームあずみの里・業務上過失致死事件の概要】

2013年12月、長野県安曇野市の特別養護老人ホームの食堂で、おやつを食べていた入居者が、急に、ぐったりしてしまい、その1か月後に意識が戻らないまま、2014年1月に亡くなられたということが起きました。

 検察は、ドーナツが「喉をつまらせる物質」であり、配膳や食事介護にあたった准看護師が、注視していなかったことにより窒息死をもたらし、それが「業務上過失致死罪」にあたるとして、起訴しました。検察は、おやつの形態変更があったにも関わらず「ドーナツを配ったことが過失である」という主張も加えました。

 裁判は、起訴から4年以上にわたって行われ、2019年3月、長野地裁松本支部は、准看護師に対して、検察官の求刑通り、20万円の罰金の支払いを認める有罪判決をしました。施設が民事上の責任を負うかどうかはともかく、施設に勤める個人を「犯罪者」としたことが問題とされました。

 そのため、地元紙は、判決の翌日の社説で「どの施設でも起こり得る事故が職員個人の刑事罰につながれば、関係者は萎縮し、ただでさえ足りない介護の担い手確保が一層困難になりかねない」と書きました。全国各地から「人員不足に拍車がかかる」とか「人生の最後まで生きがいをもって好きな物を食べてもらいたいが制限せざるを得なくなる」との声があがっていました。

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