長野・特別養護老人ホームあずみの里・業務上過失致死事件の学習会と署名要請活動

〔 服部有弁護士の活動 〕

私が、弁護人を務めているのではありませんが、この件については注目しており、10月9日、医療生協で学習会の講師を務め、10月26日のとちぎ福祉プラザで上映された「ぼけますから、よろしくお願いします」に先立ち、控訴審で無罪を求める要請署名の訴えをさせていただきました。

 

【長野・特別養護老人ホームあずみの里・業務上過失致死事件の概要】

 2013年12月、長野県安曇野市の特別養護老人ホームの食堂で、おやつを食べていた入居者が、急に、ぐったりしてしまい、その1か月後に意識が戻らないまま、2014年1月に亡くなられたということが起きました。

 検察は、ドーナツが「喉をつまらせる物質」であり、配膳や食事介護にあたった准看護師が、注視していなかったことにより窒息死をもたらし、それが「業務上過失致死罪」にあたるとして、起訴しました。検察は、おやつの形態変更があったにも関わらず「ドーナツを配ったことが過失である」という主張も加えました。

 裁判は、起訴から4年以上にわたって行われ、2019年3月、長野地裁松本支部は、准看護師に対して、検察官の求刑通り、20万円の罰金の支払いを認める有罪判決をしました。施設が民事上の責任を負うかどうかはともかく、施設に勤める個人を「犯罪者」としたことが問題とされています。

 そのため、地元紙は、判決の翌日の社説で「どの施設でも起こり得る事故が職員個人の刑事罰につながれば、関係者は萎縮し、ただでさえ足りない介護の担い手確保が一層困難になりかねない」と書きました。全国各地から「人員不足に拍車がかかる」とか「人生の最後まで生きがいをもって好きな物を食べてもらいたいが制限せざるを得なくなる」との声があがっています。

 

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